しかし結論、Webマーケティング会社は他業界よりもブラック企業が少ないし、短期的にはキツくても長期で見ると自分の成長に繋がるケースが多いです。
僕自身、31歳未経験で転職して大変な思いを何度も経験しましたが、2年経った今は少しずつ余裕が出てきてますよ。
今回は別業界で働いていた経験も長い僕が、Webマーケティング会社の内情や良い会社の選び方をお伝えしていきます。
31歳未経験でWebマーケターに転職。現在はSEO・SNS責任者と面接官を務める。Webマーケティングスクール『Withマーケ』転職講座講師。Twitterのフォロワー数は3000人超。詳しいプロフィールはこちら
そもそもブラック企業の定義とは?
厚生労働省ではブラック企業の特徴を下記のように記載しています。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
参照元:厚生労働省
- 極端な長時間労働や厳しいノルマがある
- 残業代未払い、ハラスメント横行などコンプラ意識が低い
- 人によって対応に差があり過ぎる
ただ、上記はあくまで一般的な認識なので、業界や仕事内容によってもブラック企業の定義は変わってきます。
そこでここからは、Webマーケティング会社におけるブラック企業の定義や見分け方について解説していきます。
ブラックなWebマーケティング会社の定義や見分け方
ここからはブラックなWebマーケティング会社の定義や見分ける方法9つについてお話していきます。
- 残業が多すぎないか
- 営業ばかりやらされないか
- 風通しの良い雰囲気があるか
- 正当な評価を受けられない
- 口コミは悪すぎないか
- 常に求人が出ていないか
- 給料が他と比べて異常に高い
- 業界が伸びているかどうか
- 商品やサービスに将来性や独自性があるか
1:残業が多すぎないか
残業がある程度あるのは仕方ないですが、多すぎる会社はブラックな可能性があります。
労働基準法では法定労働時間を超える残業を、「時間外労働」(法定時間外労働)と言います。正社員であれば、”1日8時間✕20日間”が一般的な法定労働時間ですね。
労働基準法の改正により法定時間外労働(残業)の上限は、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から原則「月45時間・年360時間」となりました。
ちなみに雇用契約書に「みなし残業40時間」などと入ってる場合は、残業代は給料に含まれてるため出ない会社が多いです。
そういう会社は大体40時間以上残業することになるので、無賃で働く時間が増える可能性はあります。
2:営業ばかりやらされないか
Webマーケティングが出来ると思ったのに、ずっと営業としてテレアポをしてる会社もあります。
キャリアパスとして「営業で経験を積む→Webマーケターとして従事」というステップを踏ませる会社があるのも事実。
ただ中には、Webマーケティングで集客できないから営業をせざるを得ない会社もあります。
例えばSEO支援会社として有名なウェブライダーは、営業を積極的にしない会社としても有名です。参考資料
理由は「営業をしなくても自社のコンテンツを見てもらえば良さは伝わるから」とのこと。
営業ばかりやってる会社は、Webマーケティングに力が無い可能性もあります。
せっかく入っても全然Webマーケティングスキルが上がらないリスクがあるので注意が必要ですね。
3:風通しの良い雰囲気があるか
社内のコミュニケーションが円滑に行われているかも大事なポイント。
ハラスメントが横行していたり、才能のある若手が活躍できないような古臭い社風だと後悔するかもしれません。
逆に若手も積極的に意見を出し合って、商品やサービスを良くしていこうとしてるなら、入社しても楽しく成長していけますよね。
大変なこともありますが、チームのみんなで頑張って目標を達成したときに飲むお酒は最高です!
4:正当な評価を受けられない
成果を出しても評価を受けられなかったり、評価基準が曖昧すぎる場合はモヤモヤを抱える可能性があります。
特にベンチャー企業の場合、評価基準などの仕組みが整ってないことも多いです。
その分、ゼロから仕組み作りに関われるのでやりがいもありますが、元々大企業などで勤めてて転職してくると、最初はギャップに悩むことがあるかもしれません。
僕がマネージャーをしてるチームのメンバーも元大企業出身だったので、評価基準では結構ゴタゴタしました。
自分はどんなタイプの会社が良いのかは、ある程度見極めて入社する必要がありますね。
5:口コミは悪すぎないか
転職会議やOpenworkなどに登録すると、企業の口コミを見ることが出来ます。
正直、満足してる人はわざわざ口コミサイトに投稿なんてしないので、サイトに載ってる口コミはどうしても批判が多くなりがちです。
ただ、多くの人が同じようなネガティブなコメントをしてる場合、その会社の状況がなんとなく想像はつきますよね?
あくまで参考程度にした方が良いですが、転職を考える際は一応見ておいた方が良いでしょう。
基本、公式のコーポレートサイトは良いことしか書いてませんからね。
6:常に求人が出ていないか
転職エージェントや転職サイトに、常に求人が出てるWebマーケティング会社はブラックの可能性があります。
なぜなら「採用してもすぐにやめている」「魅力が無くて人材を確保できない」という証拠だから。
大幅な事業拡大で人員が必要になるケースもありますが、そこまで頻度は多くありません。長い間、常に求人が出続けてる会社は少し注意した方が良いでしょう。
特にマーケターは営業と違って、人数が多くないといけない仕事ではありません。どちらかというと少数精鋭になる傾向があります。
事業内容や業務内容を見て、本当に自分がしたい仕事ができそうか確認する必要がありますね。
7:給料が他と比べて異常に高い
転職などで企業選びをする際に年収はチェックすると思いますが、想定年収が他と比べて異常に高いのは疑ったほうが良いでしょう。
なぜなら”みなし残業”が入って上がっていたり、新規営業を取った場合のインセンティブが反映されていることがあるからです。
例えば、
- 求人票に記載してある年収300〜600万円
- ベースで貰えるのは300万円(月給23万円ほど。ボーナス30万円ほど)
- ここからどれくらいアップするかは営業次第(1件獲得ごとに10万円)
のように不動産営業などと同じような感じです。
もちろんこういった会社の場合、営業力が強ければ年収を大きく伸ばせる可能性もあります。ただ逆に、成果を出せないと年収が低いという状況になるリスクも。
一概に悪いとは言えませんが、そもそも何をやりたくて就職や転職するのかを考える必要がありますね。
8:業界が伸びているかどうか
一言でWebマーケティングの仕事と言っても業界は様々です。例えばコカ・コーラは飲食だし、P&Gは日用品の業種に属しますよね。
Webマーケティングの仕事が全てIT業界に属するわけではなく、会社の中に「Webマーケティング部」のような感じで設けられてるケースも結構あります。
もしも衰退業界だと、いくらWebマーケティングを駆使しても厳しいこともありますし、売上を上げるのが難しいので年収も上がりづらくなります。
例えばスマホが普及して来てる時代に、ガラケーの会社でWebマーケティングをやっても限界がありますよね?
これは極端な例ですが、業界自体が衰退してる場合、1つの会社でいくら頑張っても厳しい場合はあります。
頑張って働いてる割にリターンが少なくなる可能性もあるので注意ですね。
9:商品やサービスに将来性や独自性があるか
先程は業界全体を見ましたが、会社の商品やサービスに将来性や独自性があるかも重要です。
例えばメルカリは個人が手軽に出品や購入、交渉なども出来る「フリマアプリ」というコンセプトを打ち出して大ヒットしました。
Uber eatsは企業ではなく個人が配送できる仕組みを作って、爆発的にユーザーを獲得しました。
これだけモノが溢れてる時代において、独自性のない商品やサービスがヒットすることはありません。つまり将来性もないということです。
ニッチな業界でも面白いコンセプトを打ち出してヒットしてる商品やサービスは意外とあります。
色々と調べてみると「お!?」という会社に出会えるかもしれませんよ。
自分で判断できないなら周りに相談するのもアリ【経験者や転職エージェントなど】
9つの判断軸をご紹介しましたが、「なんとなく分かったけど自分の判断が正しいか分からない。誰かに相談したいな…」と思う方もいるでしょう。
そんな時に活用したいのが、すでにWebマーケターとして働いてる人や転職エージェントに相談することです。
Webマーケターに相談する
現場でWebマーケターとして働いてる人に相談するのは有効です。
例えば未経験なのに想定年収が高すぎるからブラックな労働環境の可能性があるなど、条件を見て「これはおかしい」と気づいてくれるかもしれません。同じ業界の場合、その会社の詳しい情報を知ってることもありますね。
実際僕はTwitterでWebマーケティング系の発信をしてますが、DMで相談を受けることもあります。
約束はできませんが極力返信するようにしてるので、何かあればTwitterで聞いてみてください。
転職エージェントに話を聞く
転職エージェントの担当者に聞くのもオススメです。
例えば「この会社の雰囲気はどうですか?」などを聞けば、実際に訪問して雰囲気をチェックしてくれたりもしますね。
書面だけだとリアルな雰囲気は分からないので、実際に見た感想を聞けるのは大きいです。
周りにWebマーケティングをやってる人はいないし、SNSでいきなり知らない人に質問するのは厳しいという方もいるでしょう。
転職エージェントの場合、あっちも仕事でやってるので気兼ねなく質問できると思いますよ。
【重要!】ホワイト企業が良い会社というワケではない
ここまでブラックなWebマーケティング会社を見分ける方法などを話してきました。
ただ理解すべき大事なことは、世間一般で言われるようなホワイト企業が”自分にとって良い会社”というワケではないということです。
例えば「楽だけどスキルが身につかない」という会社では、成長欲求が強い方は満足できません。「良い雰囲気だけど低賃金」という会社は、年収をゴリゴリ上げたい人には向かないでしょう。
- 残業が少ない
- 和やかな雰囲気
- 色んな仕事を経験できる
などを見ると「ホワイトな会社でイイね」と言われるかもしれませんが、他の人の価値観に合わせると後悔することもあります。
目的を見失わないようにしたいですね。
ちなみに僕は今のチームになって仕事量が増えて残業も多くなりました。
ただ、ここで頑張った経験が将来に活きると思えるので、充実感を感じながら働けてますよ。
自分に合うWebマーケティング会社の選び方3つ
人によって目的は違えど、ここだけは抑えておきたいというポイントを紹介します。自分に合うWebマーケティング会社を選ぶ指針にして下さい。
- 欲しいスキルを学べる環境があるか
- 社員同士のコミュニケーション
- 企業理念や事業内容への共感
1:欲しいスキルを学べる環境があるか
まずは自分が身につけたいスキルを学べる環境があるかどうかです。
- 広告運用
- SEO対策
- SNSマーケ
- 動画編集
- 戦略立案
- データ分析
- ライティング
例えば広告運用をやりたいのに、SEO支援会社に入ってしまったら欲しいスキルが身につきません。
ただ案件を受注して作業をするような会社では、ブランディングなど広い視点は習得できないでしょう。
自分がどんなスキルを磨きたいのかを明確にしておきましょう。
2:社員同士のコミュニケーション
やはり社員同士のコミュニケーションが円滑・活発かどうかは見ておくべきです。
例えば若手社員が発言できない雰囲気があったり、パワハラやセクハラが蔓延してるようでは、仕事がイヤになってしまうかもしれませんからね。
もちろん受け身の姿勢ではコミュニケーションは取れないので努力も必要ですが、面接や会社訪問でチェックするのをオススメします。
逆に環境さえ良ければ仕事が楽しくなって、スキルもグンと伸びていく可能性もありますよ。
3:企業理念や事業内容への共感
企業理念や社長の思い、その会社の商品やサービスが目指すビジョンに共感できるかも大事です。
どんな仕事でもそうですが、お金だけが目的だと仕事はあまり楽しくありません。
しかし「社長の目指す世界を自分も見てみたい」「自分の仕事はこんな人の役に立っている」と思えると、モチベーションが下がりづらくなります。
お金で満たされるのは一時的です。いくら貰っても「もっともっと」となるんですよね。
給料をモチベにするのは全然悪いことではありませんが、給料以外のやりがいを感じられる会社と出会えれば仕事が楽しくなりますよ。
Webマーケティング業界にもブラックな企業・会社はある。でも大事なのは自分の目的を叶えられるかどうか
Webマーケティングの仕事は1人あたりの業務量が多くなることも割とあります。
しかし「楽な会社=良い会社」とは限らないので、自分の目的を見失わないようにしたいですね。
大変でもスキルや経験を積めれば、数年後に「やってて良かった!」と思えるかもしれませんよ!
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